ドロップフレームとノンドロップフレーム(2)

前回の続き)
以下、自分で作った動画で調べてみた。
最初のフレームは、フレーム番号0、最後のフレームは、フレーム番号6809である。
最後のフレームは、ドロップフレームタイムコードで「00;01;53;33」、ノンドロップフレームタイムコードで「00:01:53:29」。両者の違いが確認できる。さらに、ミリ秒で表示してみると、「00:01:53.596」。6809/59.94≒113.596 なので、ミリ秒表示は、実際に経過した時間とほぼ一致することが確認できた。
ドロップフレームタイムコードとノンドロップフレームタイムコードの違いは、どこで発生しているのだろうか?
ノンドロップフレームタイムコードで「00:01:00:00」のフレームに行ってみる。これをドロップフレームタイムコードで表示すると、「00;01;00;04」。フレーム番号で表示すると「3600」。
1コマ前に行ってみると、フレーム番号は当然「3599」。ノンドロップフレームタイムコードで「00:00:59:59」、ドロップフレームタイムコードで「00;00;59;59」。ドロップフレームタイムコードでは、「00;00;59;59」の次が「00;01;00;04」。コマ送りして確認してみたのだが、ドロップフレームタイムコードでは、00;01;00 台が、04から59の56コマしかないのである。
ここで勘違いしてならないのは、1分0秒台に56コマしかない、つまりフレームを飛ばしているのではなくて、タイムコードはあくまでも番号の付け方の話なのである。
試しに、フレーム番号「3600」は、ミリ秒表示で「00:01:00.060」。ドロップフレームタイムコードの「00;01;00;59」は、フレーム番号では「3655」、ノンドロップフレームタイムコードでは「00:01:00:55」、ミリ秒表示では「00:01:00.977」なのだ。
何を確認したかったのかというと、ドロップフレームタイムコードで一見「1分0秒台」のように見える所は、正確には1分0秒台に一致しない。同様に、ノンドロップフレームタイムコードで「00:01:00:59」(フレーム番号「3659」)は、ミリ秒表示で「00:01:01.044」で、ノンドロップフレームタイムコードで一見「1分0秒台」のように見える所も、正確には1分0秒台に一致しない。
まとめると、ノンドロップフレームタイムコードは、下二桁が毎回60で繰り上がる番号の振り方のことである。紛らわしいのは、実際には1秒当り59.94フレームなので、実際の経過時間と似ているが少しずつずれていくことである。
ドロップフレームタイムコードは、実際の経過時間に近づけるために定期的に番号を飛ばす番号の振り方である。調べたところ、この番号の飛ばし方は、「毎分4フレームただし10分に1回は飛ばさない回がある」のだそうである。
どういうことかと言うと、1秒間に59.94フレーム、100秒間に5994フレームということは、毎秒60フレームと比べて100秒間に6フレーム差。600秒(10分)で36フレーム差。しかるに、毎分4フレーム補正してしまうと、10分で40フレーム補正することになってしまう。よって、10分に1回は補正しないということらしい。
以上、59.94 fps の場合にについて述べたが、29.97 fps の場合は、フレーム数が半分になるだけで、同様の話である。