シフトJIS では、第3水準・第4水準の漢字を扱えないのか? 番外編(1)-JIS X 0213 が第1面に追加した非漢字を何と呼ぶか?-

2000年版の JIS X 0213 は、JIS X 0208 で規定されていた6879文字に4344文字加えて、計11223文字を規定している。JIS X 0208 に比べて増えた文字は、第1面に1908文字、第2面に2436文字である。第2面の2436文字は全て第4水準漢字である。第1面に追加した1908…

シャオシャオとレイレイの見分け方

2021年に上野で生まれた双子のパンダ、シャオシャオとレイレイ。二頭を見分けるためにシャオシャオの背中には緑色の印が付けられているが、成長するに従い、二頭の個性が現れて来たようである。先ずは目元から。象のようなしわしわの瞼をしているのがレイレ…

食塩水問題再び

以前も食塩水問題について書いた。そこでの主張は、「x %の食塩水」とは何を意味するのか、問題文に明記すればよいというものだった。しかし、まだ言い足りないことがあるので、再びこの主題で書いてみることにした。例題を再掲する。 例題(1) 5%の食塩水6…

シフトJIS では、第3水準・第4水準の漢字を扱えないのか? (5)-JIS X 0213 を使うシフトJIS もある-

前回、シフトJIS は文字集合として JIS X 0201 と JIS X 0208 を使っていると書いたが、JIS X 0208 の代わりに JIS X 0213 を使うシフトJIS が存在する。その名も、Shift_JISX0213 で、JIS X 0213 の附属書に規定されている。先ず、JIS X 0213 について説明…

シフトJIS では、第3水準・第4水準の漢字を扱えないのか? (4)-シフトJIS の成り立ち-

シフトJIS の成り立ちには、歴史的な経緯がある。この辺の話は、『インターネット時代の文字コード』(共立出版、2002年;現在は絶版)に詳しく書かれている。本稿も、かなりの部分、この本を参考にさせていただいた。1969年に JIS X 0201 が制定された。こ…

秀丸エディタの「ファイルを読み込みし直す」と「内容を維持したまま適用」

秀丸エディタでエンコードの種類を切り替える時、メッセージボックスが出て来て、「ファイルを読み込みし直す」か「内容を維持したまま適用」するか、キャンセルするかの選択を求められる。「ファイルを読み込みし直す」を選択すると、選択されたエンコード…

シフトJIS では、第3水準・第4水準の漢字を扱えないのか? (3)-文字集合と符号化-

文字コードを語る上で必須なのが、文字集合と符号化の理解である。文字集合は、その名の通り、当該文字コードで規定されている文字の集合である。符号化は、各々の文字に番号を割り当てることと言っても良いのだが、注意が必要だ。ASCII のような古典的な文…

シフトJIS では、第3水準・第4水準の漢字を扱えないのか? (2)-第1~第4水準とは何か-

第1水準、第2水準、第3水準、第4水準は、JIS 漢字における区分である。更に言えば、JIS X 0208 と JIS X 0213 における区分である。JIS X 0208 は、1978年に制定され、その後何度か改正され、2000年には、JIS X 0213 が制定された。JIS X 0213 で規定される…

シフトJIS では、第3水準・第4水準の漢字を扱えないのか?

例えば、「嚬」という字である。これを秀丸エディタでエンコードの種類を「日本語(Shift-JIS)」で保存しようとしても出来ない。Microsoft IME で調べてみると、Unicode: U+56AC だが、Shift JIS の欄には該当するコード無しである。秀丸エディタの[表示]->…

HTML5 と HTML Living Standard または W3C と WHATWG

WEB

XHTML から HTML5 で、大きめな思想的転換のあった HTML であるが、2019年5月28日の W3C と WHATWG の合意によって、これ以降は WHATWG の策定する HTML が唯一の現行版であることが決定した。そして、この WHATWG の策定する HTML は、継続的にメンテナンス…

食塩水問題

食塩水問題とは、次のようなものである。 例題(1) 5%の食塩水600g に10%の食塩水を混ぜて、7%の食塩水を作りたい。10%の食塩水を何g 混ぜればよいか。 このような問題は、いまだに中学入試の算数や中学校に入ってからの数学で出題されているらしいのだが…

InDesign と XML(9)-名前空間を使ったスタイルの適用-

InDesign と XML の9回目。これは、"Adobe InDesign CS3 and XML: A Technical Reference"という資料に書いてあった方法である。XML では、要素や属性に名前空間を利用することが出来る。具体的には、名前空間を使いたい要素や属性に名前空間接頭辞(プレフ…

InDesign と XML(8)-「タグをスタイルにマップ」と「スタイルをタグにマップ」-

InDesign と XML の8回目。タグパネルメニューまたは構造ウィンドウメニューには、「タグをスタイルにマップ」と「スタイルをタグにマップ」の両方が存在する。似ているようだが、この二つには違いがある。「タグをスタイルにマップ」は、既に XML のタグ付…

XHTML と HTML5-空要素と空白の扱い-

XHTML と HTML5 の違いは、端的に言えば XHTML は XML なので XML の文法に従わなければならないということである。細かく見ていけばいろいろあるが、今回の記事では、重要だが忘れがちな点に絞って述べたいと思う。 空要素のタグ XML の場合、開始タグと終…

XHTML と HTML5

HTML の歴史を振り返ると、HTML4 までの HTML は SGML を用いて定義されていたと言う。そこから、HTML5 にそのまま進化したのかというと、そうではなく、 XHTML という XML で定義された HTML が登場した。それが20世紀から21世紀に変わるころだったから、今…

InDesign と XML(7)-書き出しオプションの「改行、空白、特殊文字を再マップ」-

InDesign と XML の7回目。InDesign から XML を書き出すときのオプションで「改行、空白、特殊文字を再マップ」というものがある。これを選択するのとしないのとで、何が違うのか。InDesign のマニュアルを見ると「改行、空白および特殊文字を、その文字そ…

InDesign と XML(6)-XSLT-

InDesign と XML の6回目。XSLT は、XML 文書を別の XML 文書(やその他の形式)に変換する言語であり、XSLT 自体 XML の文法に従っているという、理論的には魅力的な仕様となっている。XSLT を処理する XSLT プロセッサは、無償で使えるものもあり、Java な…

InDesign と XML(5)-DTD による検証-

InDesign と XML の5回目。DTD は、XML 文書の構造を定義するスキーマ定義言語のひとつであり、DTD を使って XML 文書を検証することによって、妥当な XML 文書(valid XML document)であることを確認できる。DTD による検証は、InDesign 以外でも出来るの…

InDesign と XML(4)-レイアウト-

InDesign と XML の4回目。追加モードで読み込んだ XML 文書をページにレイアウトする方法。ページにレイアウトする前に、DTD による検証やタグとスタイルのマップなど、やっておきたいことはあるのだが、先ずは、レイアウトする方法を記しておく。ページは…

YouTube のタグとハッシュタグ

YouTube の動画をアップする側の話である。YouTube Studio で動画アップロードしてタグを付けたのに、動画に反映されていないと思ったのは、私だけではないはずだ。実は、タグは検索でヒットしやすくするために付けるものであり、タイトルの上に青い文字で表…

InDesign と XML(3)-構造ウィンドウ-

InDesign と XML の第3回目。構造ウィンドウである。その名の通り、XML 文書の構造がここに表示される。構造ウィンドウは、[表示]->[構造]->[構造を表示]を選択すると、現れる。追加モードで XML 文書を読み込んだ場合、ひとつの要素として構造ウィンドウに…

ドロップフレームとノンドロップフレーム(2)

(前回の続き)以下、自分で作った動画で調べてみた。最初のフレームは、フレーム番号0、最後のフレームは、フレーム番号6809である。最後のフレームは、ドロップフレームタイムコードで「00;01;53;33」、ノンドロップフレームタイムコードで「00:01:53:29」…

ドロップフレームとノンドロップフレーム(1)

最近は、動画の編集などもやっているのだが、そこでひとつ気になることがあった。ドロップフレームとノンドロップフレームである。ミラーレス一眼カメラで動画を撮る場合、フレームレートが29.97 fps や59.94 fps などあるが、これは、1秒間に29.97や59.94の…

InDesign と XML(2)-追加と結合-

InDesign と XML の第2回目。InDesign に XML を読み込む場合、「追加」と「結合」の二通りがあるらしい。「追加」モードでは、XML 文書を読み込んでも、構造ウィンドウにひとつの要素として追加されるだけで、既存のドキュメントに影響を与えないとのことだ…

InDesign と XML

InDesign で XML 自動組版をしようというのは、余程の物好きなのかもしれない。業務用であれば、日本にはしっかりしたシステムが存在するようだし、Adobe にも、Adobe InDesign Server というものが存在するらしい。しかし、個人レベルで、作業を効率化する…